挑戦者 鈴木雄大 滞在中のペルーから

 いつも読んで頂きありがとうございます。
クライマーの鈴木です。今までの原稿では、過去の登山を遡って時系列順に振り返ってきましたが、今月は、現在滞在しているペルーから、タイムリーな記事を寄稿します。

 私は今、ペルーアンデスの麓の街、ワラスに滞在しています。
キタラフという6050mの山の北壁を登り終え、高所順応のプロセスを完了したところです。アイスクライミング が連続する緊張感のあるノーマルルートでした。
4000mを超えたあたりから、体が高所に拒絶反応を示し、嘔吐や下痢、呼吸困難の前兆のようなものを少しずつ訴えてしまうため、ゆっくりと高所を上げては下げの繰り返しで、2週間ほどかけて体を慣らしていきました。
順応期間中に体を慣らしていくのが最もキツイ過程の一つなのですが、これからよりハードな未踏ルートを目指すので、疎かにはできません。
5500mで雪山キャンプも2泊でき、今は準備万端といった具合です。

 

 順応の山行を終えると、一旦街に降りてリフレッシュできるのが、ペルーアンデスの良いところです。(パキスタンなどヒマラヤでは、山が人里離れているので、一度入山してしまえば30日ほど、隔絶されているわけです。)

 6月下旬頃から再び入山し、今度は世界で誰1人として触れたことのない、キタラフの南壁にトライする予定です。
この原稿が掲載されるころには、トライの結果も出ていることでしょうか。ペルーアンデスは今、乾季で晴れが連続する予報なのですが、ここ1週間は高山に雲がかかり、緊張感の高まる待機期間を過ごしているところです。
ペルー遠征の後にはパキスタン遠征も控えているので、無理せず頑張りたいと思います。

パキスタン遠征については、文字数の関係で次回以降に触れようかと思いましたが、興味のある方はぜひ、別枠のURL(※)にて計画の詳細とクラウドファンディングのサイトをご覧頂けますとうれしいです!

【クライマー・鈴木雄大】

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