「地下50mの大神殿:首都圏外郭放水路」

地下神殿とも呼ばれる調圧水槽

春日部市の国道16号線の地下に、巨大な地下放水路があるのをご存じですか?
利根川、江戸川、荒川の大河川に囲まれた埼玉県の東部地区は、水がたまりやすい地形の上に急速な都市化が進み、大雨のために浸水被害が繰り返されてきました。
そこで水害から地域を守るため、最先端の土木技術の粋を集めて、世界最大級の洪水対策施設が平成18年6月に建設されました。
北春日部駅近くの大落古利根川から千葉県境の江戸川までの6・3キロにわたり、16号線の地下50mに内径10mのトンネルが掘られ、6つの川が結ばれました。
大雨の際に、地上の川から水を取り込む「立坑」は、直径が30mで長さが70mもあり、スペースシャトルや自由の女神がすっぽりと入る大きさとなっています。
地下神殿とも呼ばれる巨大な調圧水槽と合わせて、67万立方メートルの水を貯水することができ、その水は最後に強力な排水ポンプによって地上に押し上げられ江戸川に排水されます。
1万4000馬力のガスタービンエンジンで回るポンプ4台の排水能力は200立方メートル/秒で、25mプールの水ならわずか1秒で排出してしまうほどです。
毎年11月18日の「土木の日」の前後に、見学会が開催されています。安全な暮らしを守る世界最先端の「縁の下の力持ち」。
ぜひご家族で見学してみましょう。

排水ポンプの羽根車(直径3.7m)

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