「視覚障害」

 今回は視覚障害についてです。
見ることに関する障害であることは、皆様がご承知の通りです。
でも、その内容にもさまざまな違いがありますのでご紹介します。
 まず視覚障害とくくられますが、生まれつき見えない方と、見えていた時期があって途中で見えなくなった方とではだいぶ異なるようです。
例えば色。
赤というとあの色だな、という認識は中途障害の人にはありますが、生まれつき見えたことが無い人にはありません。
 これは聞いた話なので、そんなものかと思っていただければいいのですが、色を見たことの無い人には、色に対する温度感?があるようです。
青い色に囲まれると寒々と感じ、赤い色だと温かく感じるような。
でもその感じ方を、視覚に頼って生きている私達には共有することができません。
そういう感覚が育っていないからです。
色だけでなく空間もわかると言っていました。
見えないけれども今居るところのどちらが壁で、どちらが道か、階段が続いているのか、終わったのか。
視覚ではない感覚でわかるそうです。
すごいですよね!
 一方、途中で見えなくなった方は、見えていた時に身についていた多くの認識がありますから、視覚を他の感覚で補うためには、多くの訓練や経験が必要です。
洋服を選ぶにしても、鏡でみて似合うかどうか確認できないので、言葉で聞いてイメージして、それでいいかどうかを判断することになります。
ガイドヘルパーという支援職がありますが、見えていない人に言葉で伝えることを求められます。
難しいですよ。
Tシャツひとつとっても、肌触りは触ればわかりますが、色はどう伝えます?
 青といっても、うすいもあれば、グラデーションになっていることもあれば、緑がかったものや、紫がかったものもありますし、落ち着いた色合いのこともあれば、原色で華やかなものもありますし。
 それと、全くすべて見えない人ばかりでもないのです。
明るいか暗いか程度は分かるという人。
ほとんど真っ暗なんだけれども、一部ピントを合わせられる箇所があって、その範囲だけは見えるという人。
見えているけれども、とても強い近視で、分厚いレンズの眼鏡で極近くにしないと文字は読めないという人。
真ん中だけが見えなくて、周りは見えるという人などなど。
視覚障害と言っても、これだけ見えなさに種類があるというか、本当に千差万別に見えなさがあるということです。
当然、必要な支援も違ってきます。
 白杖を持っている人は、少なくとも、移動するのに見る力だけで安全確保が難しいくらいの視力の方です。
白杖は安全確保の触覚代償の道具として非常に重要なものです。
もし使用している方を見かけましたら、小さな声でいいので、手伝いを必要としているのかどうか、声をかけていただけたらと思います。
駅などの雑踏の中は、音が多く安全確保の難易度は高いです。
電車に乗り込む時、エスカレーターに乗る時、ほんの少し誘導してもらえたら助かる人も多いと思います。
大きな声は驚いてしまいますので小さくお願いいたします。
 また、声をかける前に手を引くなど身体に触れても、おどろきます。
 まずは声掛けを・・・。
    【愛風・久毛】

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