『台風のおとしもの』第6話(せやざきやすこ)

夏のおひさまが まぶしい あさです。
 台風は、きゅうに 向きをかえ、海岸線に そうように北へむかったので、おもったよりも 被害が でませんでした。
テレビから 声が きこえました。
「……台風は、いまも 強い勢力のまま、北の海に いすわっています……」
「被害が でなくて、よかったな」おとうさんが いいました。
「ほんとうに、あの台風だったのかしら」おかあさんが いいました。
「ぜったい、あの子だよ。ひゅるるん!て、きこえたもん」
 さやちゃんが、パンをかじりながら いいました。
「ぼくも、きこえた! 大きくなったよ、って見せに きたんだよ」
 たっちゃんは、そういって ミルクをのみました。

おとうさんは会社へ でかけました。
おかあさんは、せんたくものを ほしています。
さやちゃんとたっちゃんは、おかあさんのそばで水遊びを はじめました。
 リビングでは テレビが つけっぱなしです。

「つぎのニュースです。昨夜、たくさんのおかし屋さんで 窃盗事件が ありました。鍵を かけていたはずなのに、窓があいていて、店にあった ポテトチップスが ぜんぶ なくなっていた ということです……」
 おかあさんが、ふたりに 声をかけました。
「さやちゃん、たっちゃん、ポテトチップスどろぼう ですって!」
「えーっ! ポテトチップスどろぼう?」たっちゃんがおどろいて 顔をあげました。
「そのどろぼう、そんなにポテチ好きなのかなあ」さやちゃんが いいました。
 テレビの音がつづいています。
「はんにんは、まだ つかまっていません。けいさつが、いま そうさくちゅうです。
 さて、つぎのニュースです……」

                               おしまい

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