子どもの心に種をまこう『大人になるのが楽しみになる一冊』
『もとこども』(作・富安陽子、絵・いとうひろし/ポプラ社)
おじいさんやおばあさん、お父さんやお母さん、どんな大人もみんな「もとこども」だったのです。最初から大人だったわけではありません。世の中は「こども」と「もとこども」で、できているのです。当たり前のことですが、そのことに初めて気がついた時の子どもの驚く顔を見ることのできる、読んでいて大人も楽しくなる一冊です。子どもには将来なりたいものが、たくさんあります。まっすぐ素直な気持ちでいる子どもにとって、大人になることは夢を叶えること。楽しみなこと。どんな大人にもなれる可能性を持っています。ふんわりとしたやさしい色合いのこの絵本の中には、様々な職業が登場します。大きくなったら何になりたいか、子どもと話すのも楽しいですね。さて、ここからは大人の楽しみ方です。身の周りの人が、どんな〈もとこども〉だったか想像してみてください。例えば、目の前にいる大人が5才児だった頃の姿を。ちょっとしたしぐさや笑い方などから簡単に想像できるような気がします。すると、どんなに苦手な人でもいとおしく感じてしまうから不思議です。大好きな人ならもっと大好きに。大人も時には、こんな想像の世界で遊んでみてはいかがでしょう。楽しいですよ!【茶柱】
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