今年の夏は、2017年以降で最も厳しい電力需給の見通しとなっているのをご存じでしょうか。 電力を会社や家庭に安定供給するには、電力の予備率が最低3%以上必要とされています。この8月の東京の予想予備率は3・8%。中部や関西も同率でした。電力不足の理由の一つには、大規模火力発電所の運転停止が挙げられます。火力発電所の寿命の目安は45年とされ、地球温暖化を防ぐため、今後取り壊される火力発電所が相次いでいます。今年の夏までに、老朽化した大型火力発電所が13基も運転停止を予定しており、今日本の電力供給は危機的な状況を迎えているのです。この夏の電力不足を踏まえ、運転停止予定の13基のうち、2基は運転再開が決まりました。電力不足の二つ目の理由として、原子力発電所がかつてのように運転していないことがあります。福島第一原発の爆発事故により、全国に54基あった原発はすべて運転を停止。再稼働をするには、より厳しい安全対策を取ることが必要となりました。その基準をクリアして再稼働したのは10基で、日本の電力供給量の1割程度となっています。実は今年の冬の1月12日、関西電力は電力の予備率が1%という危機的状況となり、中部電力や東北電力など5つの電力会社から、17回も電力供給を受けてかろうじて停電を防いでいたのです。この日は数年に一度の非常に強い寒気が流れ込み、低気圧や寒波の影響で西日本の平地などでも雪が降り、太陽光発電も低下。逆に電力需要は昨年度の同期間と比べ約1割も増加し、同じ12日に四国電力も6つの電力会社から13回融通。中国電力も4社から9回供給を受けています。各電力は自前の発電所を最大出力で運転。また企業の工場などの自家発電からも調達しました。電力不足の理由は寒気だけではなく、火力発電用のLNG(液化天然ガス)の不足も原因でした。2020年秋以降、オーストラリアやノルウェーなどで相次いだ生産施設のトラブルや、パナマ運河でのLNG船の「渋滞」が挙げられます。渋滞は、新型コロナ対策で船に対する安全手順が増えているからだとも言われています。(貨物船座礁事故はこのあとの3月)この夏はオリンピックの無観客開催が決まり、エアコンの効いた家の中で、オリンピックをテレビ観戦された方も大勢いたことでしょう。8月24日からは、パラリンピックも始まります。世界からたくさんの選手が来日している今、大きな停電が起きたらどうなるでしょうか?貴重なコロナワクチンは溶け、家庭の冷蔵庫の生鮮食品もすぐに腐り始めます。その時どうするか、あなたは考えたことがありますか? 停電でガスも長期間止まることがあります。特にオール電化の家庭では、今すぐにカセットコンロとガスボンベを買って、鍋で米を炊く練習をしておきましょう。【さいたま市防災アドバイザー・加倉井誠】
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