この時期の農作業として、適しているのが挿し木や挿し芽。挿し木ができる植物として人気なのが、南天やあじさいなどだ。耐寒性もほどほど。温暖な地域であれば屋外で越冬できるため、観葉植物の中でも比較的育てやすいとされている。南天は中国原産で、日本では縁起物として植えられることが多い。冬に赤くて丸い実を付けるが、赤い色には「魔除けの力がある」といわれる。そのため、年末年始でも重宝されている。災難や難関を転じるともされており、福寿草と合わせると「難を転じて福となす」とも言い伝えられている。浦和美園地区に住む増田清さんのお宅でも、南天の挿し木をしている。この季節になると、南天を根元から切り落として水に浸けておき、挿し木用に10センチほどの長さへカットして、芽先へ気を付けながら新たに水へ浸ける。その後、やわらかくした土に10センチの長さのぶんだけほぼそのまま埋め込み、1年ほど寒冷紗(園芸用に使われる荒く織り込んだ布)と呼ばれるシートをかけておく。水やりも必要で、暑い日にはシートの調節をするなど手間のかかることも多い。気になる木を見つけて、生長を見守るのは楽しい作業でもある。【増田啓子】
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