ココロとカラダの薬箱「手話応援」

聴覚障害者を1500人招待して、サッカーのアルディージャを応援する催しが今年も7月13日にありました。
毎年受付のお手伝いをしています。
その関係で埼玉新聞社からインタビューを受けました。 

 私が手話と出会ったのは今のように手話が市民権を得る前です。
全日本聾唖連盟が中心になって、手話の標準化を図っていた頃です。
私が社会人としてスタートを切ったのが昭和48年、国立聴力言語障害センター(厚労省)です。
そこで先輩や聾唖者の人から直接手話を習いました。
役人生活は11年、その後は30年以上大学で教鞭を執りました。 
 ある日、手話サークルの学生から楽しく手話を学べる方法はないかと尋ねられました。
カラオケが出始めた頃です。学生に手話で歌うことを提案し、手作りの歌集を一緒に作りました。
これは面白いと複数の出版社に企画を持ち込みましたが、誰が手話で歌うのかと一蹴されました。
現在の様な手話ボランティア団体など数が少なかった時代です。
手話通訳者養成も始まった頃です。
やっと旧知の出版社に1回切りの約束で出すことができました。
発売して1週間経った頃、夕刊フジに小さく『日本で初めての手話のうた本(手話で歌おう)発売』の記事が載りました。
次の日からが大変でした。
テレビ局や新聞社などマスコミ各社から追いかけ回されました。
当初、私に批判的な態度をとった人たちも掌を返して、手話の歌本を出しました。
今では誰でも手話で歌うのが当たり前になりました。
1500人の障害者と一緒になって、皆で手話でサッカー応援をするなど昔では考えられませんでした。
手話が市民権を得た。これは本当に夢のような話です。
今年はパラリンピックの年です。
以前(みやび)に『パラリンピック物語』を2回に渡って掲載しました。
今、掲載した方が良かったですね。
【NPO親子ふれあい教育研究所所長・藤野信行】

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