コラム ココロとカラダの薬箱 格差社会と塾

 EQについてどこかで聞いたことがある。しかし、よくわからないと言う人が多いのではないですか。EQとは心理学博士ゴールマンが提唱した「思いやり・協力・調和」のことで「こころの知能指数」と呼ばれています。

 従来、我が国ではIQ(知能指数)が高い人ほど優秀であり、社会的な成功をおさめると考えられてきた。それがある意味で否定されたわけです。IQが高いことに意味があるのではなく、EQ(こころの知能指数)との兼ね合いが重要と言うことです。しかし、我が国では必ずしもEQを高める環境にはない。頻発する「いじめや虐待」がそれを物語っています。社会全体に思いやりや優しさ、協力や共感が薄れつつあるのかもしれません。

 現在、わが国の社会システムでもっとも機能していないのが「家庭教育」と言われています。本来は親の役割であるはずの「しつけ」も教育機関に依存しているのが現実です。

 しかし一方では、我が子を守るのは親しかいないとの思いも強いです。名門校に入学し、有名企業に就職することで幸せになる時代は、20年以上前にいったんは終わっています。それでも20年後の現在、またしても「お受験」が頭をもたげています。

 少子化傾向が定着し、無理をしなければ高校や大学の「全員入学」が可能な時代です。それにも関わらず親たちの教育熱は高いです。また、「格差社会」と言われ、子育て世代の親の「経済格差」が広がっています。親の経済力が子どもの将来を決めるがごとく言われる昨今です。高い月謝を払って子どもを塾に通わせることが親のステータスのように誤解している親もいます。

 塾に通わせることは親のステータスではなく、塾を本当に必要としている子ども、例えば不登校児や学習遅滞児への「塾」であって欲しいです。学習塾以外にも個性を伸ばすEQを高める塾も増えてきましたが、学習塾以上に「限られた子ども」の塾であり、「格差社会の副産物」になりかねません。

 親の経済力が子どもの将来を決めるがごとく社会風潮は戒めるべきです。【NPO法人親子ふれあい教育研究所 代表理事・元大学教授(心理学)】

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