ジャズと教育 困る大人を尻目に…

字も読めない、言葉も分からない赤ちゃんでも多くの選択肢の中から自分の興味のあるものを選ぶことができます。
親がせっかく与えたおもちゃをほっぽり出して別なおもちゃで夢中になって遊ぶなどということはよくあることででしょう。
様々な刺激を与えたり、グッズを与えたりすることは大切なことですが、子供は親が思っている以上に興味のあることを見つけ出すのは得意です。
しかし、往々にして興味を示すのは「何故こんなものが?」と大人が首をかしげるような物ばかり。
我が家の孫はこのところ台所グッズがおもちゃになっています。
そんな子供が夢中になり、様々な能力を高めるおもちゃって何なのでしょうか。
私がバンドで担当している「太鼓」を例にとって考えてみましょう。
おもちゃの中でもその種類の多さでは上位を占める「太鼓」。
雷様が持っているようなデザインのものから置物にできるようなかわいらしいものまで多くの太鼓がお店に並んでいます。
形だけではなく、叩くと様々な面白い音が出てくるものや勝手にビートを刻み始めるものもあります。
こんなに沢山ある太鼓のおもちゃ。
この中から皆さんが子供へのプレゼントを選ぶとしたら、どのような太鼓にしますか?
どれも魅力的で、子供たちの笑顔が瞼に浮かびます。
しかし、私だったら叩いたときに様々な電子音が出てくるようなものではなく、その打音がストレートに出てくるシンプルな物を選びます。
そのような太鼓は叩き方や叩く場所によって音の強さ、高さが変わります。
叩くと面白い音がするものは一時的には興味を引きますが、決まった音しか出せませんのですぐに飽きてしまいます。
叩き方次第で変幻自在に音色を変える単純な太鼓こそが子供の想像を無限に膨らませてくれるのです。
【「共栄大学客員教授・岩槻Jazz 代表」今村信哉(Shinya Imamura) 】

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