年度の途中から担任を交代した六年生のクラスでまずやったこと。それは「どんな学級にしたいのか」を子供達に聞くことでした。始めは何の反応も示さなかった子供達ですが、そのうちぼそぼそと「仲の良いクラスがいい。」「協力するクラスがいい。」と言い出しました。しかし、それは彼らの心から出た言葉ではありません。私はそのような問いかけを諦め、そのクラスの象徴になるものを決めようと呼びかけました。私はこれまでバラバラだったのだから、ねっとりまとまる「納豆クラス」にしたらどうかと提案したのです。それまで話に乗ってこなかった子供たちはこの発言に反応し、「納豆は臭くていやだ。」「「嫌いだ」と俄然盛り上がってきました。そして、最終的に「ミックスジュースクラス」と「チャーハンクラス」の二つの名前が残りましたがどちらにするかなかなか決まりません。そんな中、一人の女の子が手を挙げました。「チャーハンだと中に入っているハムやピーマンはちゃんと分かるけどミックスジュースだとどんなものが混じっているのかがよく分からない。私はチャーハンクラスの方がいいな。」と発言したのです。その瞬間、全員が納得したのが分かりました。それから「チャーハンクラス」は始動し始めたのです。「個性を大切に」などという理屈は要りませんでした。ニューオリンズで始まった奴隷であった人々が楽しんだ音楽、それがジャズです。彼らのほとんどは教育を受けることができず楽譜も読めませんでした。しかし、そんな彼らが自分たちの心の底から湧き出た音を紡いで創り上げたジャズは今も我々の心を掴んで放さないのです。教育もジャズも心から出た言葉や音楽であれば皆の心に必ず響きます。難しい理屈は要りません。【「共栄大学客員教授・岩槻Jazz 代表」今村信哉(Shinya Imamura) 】
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