ジャズと教育【憧れの人】

先日、ほてい家で行った「琴Jazz」。
多くの方のご来場を頂き、深く感謝いたします。
演奏終了後、このコラムでライブを知ったという親子から声をかけられました。
聞けば学校で筝曲部に入っているお嬢さん。
琴奏者の大平光美さんが書いた楽譜を持っていて、このライブは絶対に聴きたいと来てくれたのです。
大平さんのサインをもらい、ツーショットで写真を撮っている姿を見ながら、この子は大好きな琴が更に上手くなっていくだろうなと思いました。
私がドラムという楽器を選んだのは、当時憧れていたギターでコードがうまく押さえられずに諦めたという情けない理由からです。
しかし、多くの人は憧れのプレーヤーの演奏を聴いて楽器を選んでいるのだと思います。
サッチモに憧れてトランペットを始めた人はかなりいるでしょう。
憧れは「努力」を生み出します。サッチモのように吹きたい、歌いたいという思いがあればどのような努力も厭わずに練習に励みます。
そのうち自分と憧れの人とのどうしようもないほどの落差が見えてきてしまいます。
そんな時にこそ強い憧れの気持ちが、その差を縮めようとする努力を続けさせるのです。
憧れの存在は遠い所にいるのではなく学校、習い事、そして家庭にもいます。
保護者としては、子供が学者や有名なアスリートに憧れてくれれば言うこと無しなのでしょうが…。
何か一つ憧れに近づこうと打ち込めるものがあれば努力により自分の成長を実感できます。
その体験こそが社会に出てからの大きな力になるのです。 
私も教員。教え子たちの憧れの存在になれればいいのですが、残念ながら「先生、またあんなことやってる。」と呆れられています。
【「共栄大学客員教授・岩槻Jazz 代表」今村信哉(Shinya Imamura) 】

琴Jazz2022  (撮影・岩上拓郎氏)

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