ドクタージェット 存続の危機

ドクタージェットは、命に関わる重篤な状態に陥った日本全国の患者さんを、首都圏や関西都市圏などの高度専門病院に搬送するための専用ジェット機です。
日本では現在、小児を対象とする試験運航が行われています。

埼玉県には、埼玉医科大と埼玉県立小児医療センターの二か所にPICU(小児集中治療室)がありますが、首都圏を離れるとPICUの空白地帯が広大に存在します。
ドクターヘリや救急車は、原則県を越えた転院搬送ができません。
東日本大震災では、岩手県が宮城県のドクターヘリを受け入れましたが、「岩手県は余計なことをするな!」と宮城県からクレームが入りました。
また、ドクターヘリは、夜間や雨天、荒天時に飛行ができません。

つまり、日本には高度専門医療の空白地帯が存在するのに、大都市圏への長距離輸送ができないのです。
「どこに住んでいるか」によって、重症な子どもの将来が決まってしまう「命の格差」が生まれてしまっています。

認定NPO法人日本重症患者ジェット機搬送ネットワーク(JCCN)は、2024年4月より試験運航を開始。
寄付によって9件の搬送を実現しました。
ところが、このドクタージェットは2023年の骨太の方針に組み込まれなかったため国の予算が下りず、すべて民間からの寄付によって賄われており、存続の危機に瀕しています。

以前に本欄でご紹介した埼玉県立小児医療センターPICUの植田育也医師も、「(国民に)お金を配るのはいいんですが、地方の子どもたちの家庭にお金を配っても、病気になった時に救命するシステムはできないんです。
ドクタージェットは究極の少子化対策なのです。」と寄付を呼び掛けています。

JCCNでは、クラウドファンディングで寄付を募っています。
全国の小さな命を救い続けるために、ご協力をお願いいたします。
認定NPOのため、寄付による税額控除も受けられます。

「ドクタージェット 寄付」で検索

さいたま市防災アドバイザー 加倉井誠

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