ペットの野良猫、モンタ物語「僕は捨て猫、モンタです」第45回 『モンタに戻って』ペンネーム キカン坊
次の日にどうしても前の家が見たくなりました。きのう夢の中で聞いた久子ちゃんの「モンタ」の声が耳から離れません。オッチャンたちが起きる前の朝早くに、重い体を引きずってやってきました。僕専用の出入口の草がきれいに刈り取られていました。「アレ、誰か来たんだ」家の中に入ると何かなつかしい臭いがしました。久子ちゃんの臭いです。やっぱり夢では無かったのです、汚れて破けていた僕の布団は新しい布団に替えてありました。食器はきれいに洗ってあり僕の大好きなごはんが山盛りになっていました。水もいっぱい入っていました。久子ちゃんが来ていたんだ、僕を迎えにきてくれたんだ、僕は捨てられたんじゃなかったんだと思いました。あの時久子ちゃんが最後に言った「すぐに迎えにくるから、ちゃんと留守番していてね」の言葉は嘘じゃなかったんだと思うと、急に元気が出た来たように感じました。横の壁には久子ちゃんが大きな字で書いた手紙が貼ってありました。モンタヘ、、、、、、、、久子より、といっぱい字が書いてありました。僕には最初「モンタ」の字と最後の「久子」の字しか分かりません、でも「又すぐに必ず迎えにくるからここで待っているように」と書いてあるように思いました。貼ってある手紙には所々に涙の跡のようなシミがいっぱい付いていました。久子ちゃんの臭いのする新しい布団に丸まって、モンタに戻った僕は、久子ちゃんと遊んでいた頃の楽しい夢をいっぱい見ながら深く長い眠りに付きました。
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お散歩中のリードはひっぱり返さず ひっぱられてもついていかない
その鳥について ~酉年に寄せて~
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