小さい頃から音楽に親しみ、音響等の仕事や「さいたまトリエンナーレ2016」などのアートプロジェクトをきっかけに色々な音楽に出会った私が、そこでの発見を綴ります。
音楽に関わる中で目標の一つに「人と人との垣根を超える」ことがある。そのためには老若男女や障害の有無に関係なく楽しめる空間作りが必要になる。ノーマライゼーションを「音楽で実現する」ともいえるかもしれない。演奏する、歌う、聴く、それぞれに暗黙のルールがある。ルールがあるからこそ互いの関係によって「音楽」というものは成立する。ならばルールを分かりやすく、伝わりやすく工夫しながら、どのように誰もが参加しやすいようにしていくかが空間作りでは大切になってくる。私の思い描く理想の形を実際に目の当たりにした出来事があった。昨年、2018年12月、さいたまトリエンナーレハーモニーとして、コミュニティーセンターいわつきで行ったドラムサークルのワークショップである。ドラムサークルというのは、案内役を中心に参加者全員で輪になり、お互いに音を聞き、目と目、心と心を合わせ、音楽を作っていくプログラムのこと。岩槻区だけでなく市外からも様々な方が参加し、参加者は40名ほどになった。館内にジャンベなど打楽器の音が響き渡った。2時間ほどだったが、幼稚園に入る前のお子さんから還暦を過ぎた方、知的な障害を持った方までも参加し、みんなが笑い合う空間ができあがっていった。この空間作りには案内役をしてくださったKEN氏の力が大きい。音の強弱をつけることで緊張感を生み出し、誰かを指名して音頭を取ることで、音作りにメリハリが生まれる。私が思い描いていた形を今こうして目撃していることに胸が震えた。「人と人との垣根を超える」場は参加者への働き方次第で実現できるのだ。音楽は何かを繋げていく可能性を秘めている。その瞬間に私の思い描く夢があると思う。だから私はこれからも音楽に関わり続けていきたい。
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