今年で18回目の展示会 亡き父への思いも捧げる

こんにちは。ゆうきです。
3回に渡り寄稿させていただくことになっておりました「伝統工芸士とわたし」でしたが7月〜8月号とお休みさせていただいておりました。
私ごとですが、7月上旬に父が他界し、筆を執ることができませんでした。
今回も引き続き「伝統工芸士とわたし」をお話させていただきますが、その前に少しだけ、父のことを書かせていただきたいと思います。

◇◆◇

第1回の「家業を継ぐ気はなかった」でも少し書かせていただいておりましたが、私の父も人形職人で店を営んでおりました。
幼い頃、私はいつも作業をしている父のそばに座り、父のマネをして人形をこねくりまわしていました。
その姿をニコニコとうれしそうに見ていた父の顔は、記憶に鮮明にあります。
そういう優しい父でしたが、家業については一度も子供の私に「継いでほしい」ということは言ったことはなく、大人になってからも口にしたことはありませんでした。
あとから聞いた話ですが、「娘は人形作りが好きなんだよ~」ということを周りにはよく言っていたそうです(笑)。
生前、父とは仕事について多くを語ることはありませんでしたが、同じ道を進んだことに、父は内心嬉しく思ってくれていたのかなと思います。

◇◆◇

さて、本題に戻りますが、前回の「ゆうき展示会へと開催するまでこぎつけて」の続きをお話をさせいただきます。
何とか開催までこぎつけた初めての展示会でしたが、みなさんもご想像がつきますように、最初から上手くいくわけがなく、お越しいただいた業者さんからは手痛いお言葉もいただきました。
当時は、いただいた言葉に色々と悩みもしましたが、振り返ってみれば、その言葉をアイデアとして試行錯誤しながら商品の完成度を上げていくことができたんだなと。
今もこうして仕事を続けていられるのも、そういった皆さんからの「温かくもキツイお言葉のおかげさま」と感謝しています。
指摘されると悔しかったり、恥ずかしかったりと気持ちになりますが、私が自分を褒めるとしたらその気持ちをすぐにポジティブに変換できるところですかね(笑)。
色々な困難もありながらも、今年で18回目の展示会を迎えることができました。
はじめたばかりの頃は、悔しさからの反動での成長が大きかったように思えますが、経験を積んでいくにつれ、指摘をアドバイスとして捉えることができるようになったと感じます。
これからも色んなことにチャレンジし、伝統工芸士としても人間としても成長していきたいと思っています。父を目標にこれからも頑張ります。
【株式会社金重〈人形の金重・工房ゆうき〉・ゆうき】

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