岩槻人形の元祖ともいわれる「裃雛(かみしもびな)」が学生たちのユニークな発想で現代に復活した。昨年(平成28年)3月、伝統文化に新しい血を取り入れようと連携協力を結んだ岩槻人形協同組合と文京学院大(東京都文京区)。前回「フクロウ」をモチーフにした木目込みの眼鏡置きを開発し、代官山蔦屋書店で販売されるなど話題になった。そして第2弾となる今回は、岩槻が発祥とされる裃雛を現代風にアレンジ。コンセプトとデザインを学生が担当し、岩槻の人形師たちによって形にされた。裃雛は江戸末期岩槻に住む人形職人により考案された赤いかみしもを着た童顔の人形で、衣装着の雛人形に比べ安価だったため明治から大正にかけ関東を中心に流行。生まれた子供に親や親戚から贈られたとされる。同大学の松原有花さんは「親の願い」とは何かを考え、親にヒアリングを行ったという。「健康」「勉強」「仕事」「良縁」時に子供にとってプレッシャーとなりうる「願い」を託される人形には「ゆるくて可愛らしい姿が必要だ」と話す。こうして生まれた人形は大きな頭部と目を閉じ、うたた寝をしている表情が特徴的だ。桐の粉を固めた桐塑(とうそ)頭と藁(わら)を束ねたわら胴と伝統技法にこだわった。思いもつかないデザインコンセプトに困惑する人形師もいたが同組合の新井久夫理事長は「趣旨を理解し出来る限り学生たちの要望は受け入れた」と話す。大学側もこの活動はインターンシップではなく、あくまでも共同であることを強調した。この新しい裃雛は今後1年かけて商品化を目指す。
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