さいたま市若者会議の代表・尾舘祐平です。この連載では、岩槻のみなさんから寄せられたご意見への回答、話題の人物へのインタビューなどに取り組んでいきます。連載のタイトル名「尾舘りゃ祐平どこまでも」にあるとおり、ご要望に応じて伺わせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
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今年、2020年の4月29日付で、内閣府から令和2年の「春の叙勲」が発表された。埼玉県内では16名の方々が褒章の受賞者となり、岩槻区からも瓦葺き職人の布川活治さん(78)が選ばれた。褒章は全部で6種類あり、布川さんは長年にわたる功績に「黄綬褒章」が与えられた。ひたむきに仕事へ励み、人びとの模範たるべき人に対して授与された栄典だ。布川さんは、岩槻の史跡「時の鐘」の瓦の修復作業「葺き直し」も手がけた名匠として知られている。1886(昭和19)年に創業した家業を4代目として継承。先代から引き継いだ当時は車もなく、重い瓦を運ぶには「馬車や人力で運ばなければならず大変でした」と振り返っていた。一方で、、最近では技術も進み「モーターなどを使い瓦を屋根まで引き上げられるようになったので、便利な時代になった」とも話す。しかし、屋外で行う仕事であるのは変わらない。いわゆる「3K(きつい/汚い/危険)」のイメージも強く「職人になろうとする人たちが不足しているのは、今後の課題です」と嘆いていた。近年は、こうした環境を解消しようと奮闘している。現在では、職人の育成にも積極的に関わり、職業能力の開発や促進を図る「中央技能検定委員」や県技能検定委員」を務めて、資格試験の問題作成にも尽力している。現状として「きちんとした知識を持った職人を育てることは、災害に対して被害を最小限に抑えることにもつながるためとても大切です」と語っていた。インタビューでは、布川さんが瓦について丁寧に話していた印象もあった。仕事へ真摯に向き合う姿勢もひしひしと伝わってきたが、「板金や瓦葺きの職人が足りないので、私たちと一緒に働いてくれる人がいたらぜひ連絡してほしい」という思いが、一人でも多くの人に届けばと願う。
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