南下新井の庚申様佐藤里枝
岩槻区南下新井に地元の人によって祀られている庚申様がある。瓦屋根の雨屋の中に4基の石塔があった。庚申信仰は、平安時代に始まったとされ、江戸時代に庶民に広まった。60日ごとに廻ってくる庚申の夜に眠ると、各人の身中にいると言う“三尸(さんし)の虫”が、その人の罪を上帝に告げるため短命となると言われ、この日は寝ないで夜を明かしたという。庚申塔は庚申講を3年18回続けた記念に建立されたという。石塔は村の辻などに設置され、疫病進入禁止や道標などの役目もあったようだ。4基ある石塔の中、3基が庚申塔である。邪気を踏みつぶしている青面金剛像が2基、庚申塔と書かれた文字塔が1基、他の1基は普門品供養塔で、観音経を一定回数読経した記念に建てた供養塔だということだ。いずれも江戸中期から後期にかけての建立だが、雨ざらしになっていなかったので、200年以上経った今でも彫は鮮明だ。この辺りは村の鎮守様である久伊豆神社などの木々や家々の庭木など、木立の多い場所である。真冬の今でも、柚木や山茶花、椿などの花木や、畑の作物の緑の濃淡が目を楽しませてくれる。平成4年の申年にこの雨屋が建て替えられた時、植木を手入れした人に「昔の道はこの前で直角に曲がり左右に分かれていた」と聞いたのを思い出し探してみた。舗装された道路の向こう側にある「妙見」への石の道標は少しぐらついてはいたが、畑の角に確かにあった。(第9回)
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