岩槻区城南3丁目にある真福寺貝塚では、大正時代から発掘調査が何度も行われてきた。その成果として、縄文時代後期前葉(約3800年前)から晩期中頃(約2,500年前)までの約1300年間ものひじょうに長い期間、この場所で人々が生活してきた結果として形成されたいう記録が残っている。真福寺貝塚は、日本の歴史・文化の歩みはもとより、日本考古学の歩みを知る上でも貴重な遺跡として昭和50年(1975)に国の史跡に指定された。そこで発掘された土偶である「みみずく土偶」は、国の重要文化財として東京国立博物館に保管されている。じつは、岩槻駅東口ロータリー近くにあるカレー屋の軒先にはレプリカが飾られているのだが、意外と知らない方が多いようだ。この重要な史跡を将来にわたり守り伝えると共に、学習や憩いなどさまざまな形で史跡を活用することを目指して「史跡真福寺貝塚保存活用計画」が策定された。平成23年度からは、史跡として保存及び保護すべき範囲を明らかにするための確認調査も実施。併せて、指定範囲も地権者との理解を得ながら拡充させている。今後も発掘調査を継続し、3~5年後までには計画案を取りまとめる目標もある。調査には地元の小学生たちも学習体験として参加したり、一般市民を対象にした現地見学会なども催されている。国の重要文化財が発掘されたさいたま市の史跡公園として整備が進めば、岩槻の観光資源がまた増えることになる。今後の進展に期待したいところだ。【編集部・奥山】
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