岩槻城址公園のピクニック広場の一角に、さいたま市制20周年を記念し、2022年春にきぼうの桜が植樹された。
きぼうの桜とは東日本大地震の復興を目指し、2008年若田光一宇宙飛行士と共に地球を4100周した桜の種子から発芽した桜を、東北地方の沿岸に植えたものを指す。
城址公園の桜はこれらの兄弟桜で、高知県の天然記念物「ひょうたん桜」を母樹に持つ。
植樹した場所は約550年前に岩槻城が築城された際、城を取り巻く堀の中央部に当たり、歴史通は早くから、水はけを心配していた。植樹して3ケ月後には桜の葉の変色が始まり、1年後に枯れてしまった。現在の桜は二代目で、5tの土を運び入れ、高さ約1mの盛土をした上に2023年3月に植樹したものである。桜の周囲には深さ約1mの空気抜き用のパイプ6本が敷設されている。
昨年パリオリンピックの年に初めて五輪の花を付け、今年は枝いっぱいに花を付けている。
私の所属する岩槻城址公園ラジオ体操の会には約120名の会員がおり、毎朝6時半から黒門を囲みラジオ体操をしている。
会員の多くは往路か復路にきぼうの桜を眺めながら通っている。桜にわずかな異変があれば、誰かから直ぐ話が上がってくる。
桜が植樹された後、会員を中心にきぼうの桜の成長を祈って寄せ書き作りが始まり、当時の長谷川岩槻区長や安藤岩槻中学校長にもメッセージを書いて頂いた。
完成品は桜を寄贈して下さった高知県仁淀川町にお送りした。
一方、JAXAの若田宇宙飛行士宛に手紙を送り「日本を訪れた折、時間が取れれば一度岩槻を訪れてみたい」との返事を頂いている。
桜が元気に育っていることを毎朝確かめながら、今日も元気にラジオ体操に励んでいる。
【島田祥博】
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