先日、別媒体での取材で東京都墨田区向島にある、屏風店を尋ねた。1946年に創業したというそのお店では、開業当初から雛人形や鎧兜の後ろに飾られている屏風づくりを手がけている。当日、筆者が話を伺ったのはそのお店の3代目となる経営者を目指して、家業へと入ることを決断した29歳の息子さんだった。取材のテーマは「若い世代で活躍する職人」の人生や生きざまを探るというものであったが、途中、岩槻とも接点があることが分かり話に華が咲いた。今でも岩槻の人形店と交流があるそうだが、雛人形などをきらびやかに彩る屏風などを作り続けている一方、そのお店では、個人のオーダーを受けて世界に一枚しかない屏風を制作するサービスを提供するなど、伝統を受け継ぎながらも、時代に合わせてどう自分たちの持つ技術を活かしていけるかを模索しているということだった。歴史や伝統。もちろん残すべきものはあるかと思うのだが、時代の変化に応じて、何をどう提供していくかはあらゆる人々が直面している課題なのかもしれない。しかし、変わるべきものは受け入れつつ、形を変えて残していくという選択肢もあるのだというのを35歳である筆者も切に感じさせられた。【編集部・カネコ】
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