学童で働いていた私が子供との関りを綴る日々の記録です。

児童養護施設にボランティアに行ったとある日のことでした。
たくみくん(仮名)が話しかけてきました。昨夜に怖い夢を見て起きて、眠れなかったということでした。
話を聞きながら、私は子どもの頃を思い出します。
確かにそういうことがあったな、と。
あの心細さは大人になっても消えることはないんですね。
子どもから見たら大人はすごくて強くてなんでも分かって無敵みたいなイメージを持ってましたが、全然そんなことはありませんでした。
でも私たちは子供の頃の弱さやできなさを忘れてしまいます。
子どもの心を忘れずに持っておくというのは、大人になることからすると逆行しているように見えますが、意外にも大事なことなのかもしれません。

さて、たくみくんと話をしているうちに、遊びに発展し、明るさを取り戻したところでボランティアが終わります。
帰ろうとして玄関で靴を履く私にたくみくんが駆け寄ってきて言います「次いつ来るの?」。
「二週間後かな」という私の答えにたくみくんは「長いな」と明らかに肩を落とすので、「また遊ぼうよ」と約束をして帰るのでした。
ボランティアに通いながら、子どもに手を伸べるように、関わり続けることはできないだろうか、と私は考えていました。
ボランティアに通う期間の中で、私は福祉への気持ちを育む時間を貰っていたのかもしれません。

(ともくん)

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