学童保育で働いた経験から感じたことを綴る実践の日々の記録です。
広汎性発達障害という診断名の障害を持つ子供と関わったことがありました。特定の刺激へのこだわり、コミュニケーションの難しさ、情動コントロールの波。そういうものが傾向としてはあるのですが「個性」と「障害」を見極めようとふれあってきました。ボールをずっと持って放さないとか、顔に投げてきたりとか、感情的になって叫んだりとか、トイレに手袋をなげたり。注意したことに対して「やったよ」とわざわざ見せに来たり。さまざまことがあり、関わり方と理解の仕方に悩んでばかりでした。そこには、成育歴の中で保護者の方との関りから生じるものがあったのかもしれませんが、利用者の状態を伝える時には配慮が必要です。「あなたのお子さんがこんな状態ですよ」と言われても、それはまるでクレームを言われているような気持になるかもしれません。「自分の子育ての欠点を指摘されている」と思うかもしれません。いずれにしても、そこに否定的なニュアンスを含めることはないように、最大限の配慮が必要になります。その子供との関りの中で色々な体験を振り返り、適切に行う関係が、きっと大事だったのだろうと思うのですが、当時の私は、行動の指摘や改善、制限を主に目的とした声掛けをしていて、表面的にしか関われなかったように感じています。食器を雑に片付けていたときは、教科書の知識を参考に、具体的に短く伝えればわかってもらえると思ったのですが「うるさい」と言われただけでした。関係を築くことよりも、正しい関わり方を求めていて、本当に大切なことに気付くには時間が必要でした。その子には怒られたり注意されることへの過剰な恐怖心があったのでしょうし、怯えのようなものは、不安や、感情の落ち着きのなさに繋がります。こだわりは問題行動に見えますが、それは自分を安定(安心)させるために、本人にとって必要なことかもしれません。どうしようもない感情(怒り)をトイレにぶつけたのなら、そこに至る前での心のモヤモヤ(葛藤)を解決しないといけなかったのです。本人が落ち着いていられる場所づくりを心がけるのも大事です。叫ぶ時に「静かにしなさい」と注意をするより「どうしたの?」や「どこなら落ち着ける?」という寄り添うやりとりを、大切にするべきでした。【ともくん】
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けんこーかぞく・第40回
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