寄稿 「脊髄損傷」続編 損傷箇所による違い

愛風の久毛です。「脊髄損傷」について、お話の続きです。
 首の後ろ側を後頭部から下に触っていくと、飛び出た骨に触れますね。ここまでが、解剖学的に言う首です。それより下は体幹になります。
 大雑把に言うと、この骨より上で脊椎が折れて神経を損傷すると四肢麻痺になり、これより下で折れると下肢麻痺になります。手の神経はすべて首からつながっているからです。どの障害なら軽くてこの障害だと重いというわけではありませんので、誤解をしないでほしいのですが、物理的にどこがつながっているのかということをお伝えしました。
 首といいましても、ごく上の方、頭との境目あたりの神経を損傷すると、腕は全く動かせず自立呼吸も難しくなりますし、数センチ下だと、指は動かないけれどもヒジは動かせるという具合いに、レントゲンで見ただけで、どのような障害が現れるかおおむねわかるくらい、明確に機能分化しています。
 切れてしまったり、完全につぶれてしまって、その部分がいずれ溶けてなくなってしまうような状態ですと、完全損傷と言います。
幸いにして、神経の束のうち一部分の損傷で済んで、なんとかその先につながっている部分がある場合を不完全損傷といいます。不完全な場合は、損傷を受けたそのショック状態を終えると、つながっている部分の機能は徐々に回復してきます。
 同じ脊髄損傷でも、どの場所の損傷かによって、残る機能が異なるのです。腕は健常者よりも鍛えられて太く立派なパラリンピック選手を見たことありませんか? 足は利かなくなってしまったけれど、その上の神経はつながっていたということです。これは、運動に限りません。感覚も同様なのです。次回は、その「感覚の障害」について紹介します。
【 愛風・久毛】

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