一生涯でひとりの女性が出産する子供数を合計特殊出生率というが、1990年に1・57(1・57ショック)となり国を挙げての子育て支援対策が嵩じられた。
エンゼルプランである。
しかし、思うように出生率が向上しない。10年後には新エンゼルプランが出された。
長年の懸案事項であった保育所と幼稚園の一元化(認定子ども園)も成った。さらに5年後には「子ども・子育て応援プラン」が出された。
そこでは、若者の自立と子どもの育ち・仕事と家庭の両立支援・命の大切さと家庭の役割・子育ての新たな支えあいが提唱された。しかし、親の経済格差が広がる。
結婚を選択肢に選ばない若者が増える現状の中で、2022年度は1・26まで出生率が減少して過去最低を記録した。
お隣の韓国は0・7まで減少している。
ことここに至って、地域における子育て環境の見直しや改善がにわかにクローズアップされてきた。
放課後児童クラブや子ども食堂にやっと陽が当たりはじめた。
ともあれ、これは私見であるが、昨今の「貧困家庭」の連呼についてはいかがなものか。
子供食堂は、貧困家庭の子どもと独居老人だけが利用すると誤解する風潮もある。そうではない。
保護者が仕事で帰宅が遅くなる。昔であれば、「かぎっ子」と呼ばれた子どもである。
彼らも子ども食堂の利用者である。
他にも様々な理由で子ども食堂を利用する子供がいてもいい。
2023年には「常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据える」を合言葉に『子ども家庭庁』が発足した。
どのような政策がなされるか期待したいところである。
私たちは、12年前に無料の「心相談室」を開設した。
また、6年前には地域コミュニティ「コロッケカフェふれあい」を開設した。
そして、今年5月から「子ども食堂ふれあい」をオープンした。
10月から子ども食堂を活用して月に3回、無料の「学習塾ふれあい」もはじめる。
【NPO親子ふれあい教育研究所 元大学教授(心理学)・藤野】
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