精神障害の中で今回は「適応障害」を紹介します。現皇后の雅子様が侍医にそう診断されたこともありました。
どんなに優秀な人でも、堅牢な精神力を持った人でもなる可能性があるということだと思います。
精神疾患には、発症のきっかけとなる出来事があったかどうか、どのような時に症状が出るかなどによって、似ている状態でも異なった疾患であるということがあります。
故に、医師によって得られる情報が異なれば違う診断名がつくこともあります。専門家の医師ですら、試行錯誤しながら何の病なのか探り、薬を処方していく分野ですから、我々一般人が理解しにくいのは仕方ないのかもしれません。
適応障害でも、不眠や不安があります。通常の範囲であれば、日中の就労などに影響を及ぼすまで至らず「ちょっと疲れが溜まったな」「日曜日は一日寝てすごそうか」くらいで回復できるでしょう。
しかし、適応障害と診断される場合は、すでに仕事や学校に行くのは厳しい状態だと思われます。行こうとすると吐き気やめまい、強烈な腹痛に見舞われ、それでも休めないからと行こうとすれば倒れてしまいます。
あらゆる身体疾患の可能性を考えて検査をしても、倒れる原因となる疾患はみつからないことが診断の要件になります。
ヒトは、猿から分岐して進化してきた動物とされていますが、その際、脳を大きくさせてきました。
猿とヒトの脳は構造的にはほとんど同じであるようですが、額の部分の脳(前頭葉)が大きくなっているという違いがあるようです。
ここは、ヒトがヒトである特徴(深く広く考える)を占めると思われます。
社会という複数のヒトが関わりあいながら活動している場に適応するため、ヒトは沢山の気配りを必要とします。
私は愚鈍なたちで、KYと言われてしまいがちですが、気が利いて、すばらしく順応力が高い方もいらっしゃいます。
そういう方は、周りで起こっていることをすばやく感知する能力にたけ、またそのそれぞれに対してよりよい対応を選択することができるということで、まったく頭が下がる思いです。その脳の働きが、身体全体にブレーキをかけるというイメージでどうでしょうか。
不登校のお子さんでも、これに当てはまる場合があるかもしれません。
仮病だとか、精神的に弱すぎるとか、ご自身で体験したことのない人の中には心ない中傷をする人もいて、とても残念に思います。
あくまで病。本人の努力や根性でどうにかなるものではなく、ヒトという脳の発達した生き物が、その脳の働きによって、本体を休ませようとしている、そのまま無理をしたら、もっと大変な「うつ病」などになってしまうよと警告されている、そんな状態が適応障害であるようです。
早期に適切な休息、治療が必要です。【愛風・久毛】
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