寄稿 避難所を開設できなかった越谷市

 6月2日から3日にかけての台風2号による大雨。お隣の越谷市では、床上浸水500件、床下浸水2400件の大きな被害が出ました。

 越谷市の福田晃市長は元消防団員で、防災士。直ちに市役所に災害対策本部を立ち上げ、午後11時36分に避難所の開設を指示しました。

 ところが、市内の75か所の避難所のうち、24か所は「担当職員が市外に住んでいて、夜間に交通手段がない。」などの理由で、実際に開設されるまでに4時間以上もかかってしまいました。さらに3か所の避難所は、避難所の周りが冠水していて、開設自体ができませんでした。

 お隣の春日部市では、岩谷一弘市長がtwitterで避難所の開設状況などを随時発信。大雨で防災無線が聞こえない中、春日部市民に貴重な情報を伝え続けました。残念ながら、避難所の開設が遅れた越谷市長からのSNS発信はありませんでした。

 さいたま市内にも、内水氾濫等で避難所となる学校自体が水没してしまう場所があります。そんな時、どこに避難するか、あなたは考えていますか? 大雨のなか、特に夜間の避難は大変危険です。避難指示が出たから避難所に移動するのではなく、自宅周辺に危険な崖や川がないなら、二階に避難するなどの対応も必要です。

 また、家屋が水害や地震などの被害を受けたら、保険金の請求や各種申請のために、市が発行する「罹災証明書」が必要です。その申請には被災状況を証明する写真などが必要なので、写真を撮る前にあわてて家の中を片付けないことが大切です。

 浸水の場合は、「どこの高さまで浸水したか」が重要ですので、家の中と外の写真を撮っておくことです。災害ボランティアで片付けの手伝いをするときは、「写真は撮りましたか?」と活動前に家主に確認することが必須となっています。

 浸水が床下で済んだ場合でも、壁の中の断熱材を伝わって、水が壁や天井まで上がってしまうことがあります。そうなると、水分で壁や天井にカビがはえてきます。喘息や肺炎の原因にもなりますので、コンセントなどを外して、その穴から壁の中を確認することを怠ってはなりません。【さいたま市防災アドバイザー・加倉井誠】

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