寄稿 長永の岩槻B級スポット紹介㉑   『幻の綾瀬川汽船・綾瀬丸』

 岩槻内を流れる綾瀬川は、岩槻に住む我々にとって馴染みのある川かと思いますが、この綾瀬川に、かつて汽船会社が存在し、汽船『綾瀬丸』が黒煙を上げて運航していた事はあまり知られていないかと思います。
 岩槻の歴史を学ぶ会の『岩槻大百科』によりますと、綾瀬川汽船株式会社と綾瀬丸の項に、『綾瀬川を発動汽船によって貨物運送を営業とした会社』、『当時黒煙を吹き上げ、波をけって進む汽船はもの珍しく、祝賀開通式の日には、野田村地先まで往復してみせ、沿岸村民は土手にかけ上がって見物した』と書かれております。
 「土手をかけ上って見学した」という辺りなど、当時の人々にもビックニュースだった事が伝わります。
 昨年、長永と一緒に活動をしているポタリングカフェさんと、ここの現在の様子を見に行きました。
 訪れたのは、横根と谷下の境界付近にある交差点、すぐ横の綾瀬川には妙見橋が架かっている場所です。
 この場所のすぐ北には水路が綾瀬川に合流していて、鯉などがゆったり泳いでいるのをよく見る場所です。
 現地で一番気になったのはこの合流点でした。合流部より内側が不自然に膨らんだ様になっていて、本流の流れで削られた様子でもありません。古地図を見てみたところ、かつて水路はもっとカーブを描いて繋がっていたことが分かりました。ただ、汽船に関する遺構かは分からず…。
 汽船の船溜まりなどでしたら面白いですね。
周囲はこの水路以外にも、綾瀬川の流路や橋の位置、それに繋がる道など、現在と違う箇所が多々ある様です。
古地図と照らしながら、かつての汽船を思い描いての散策なども面白いのではないかと思いました。
【本格格闘甲冑集団‐式-・長永】

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