さいたま市に合併して14年が経過する岩槻。来年、2020年の2月22日には「岩槻人形博物館」と「にぎわい交流館いわつき」が旧区役所の敷地内に同時オープンする。にぎわい交流館は今年4月からの着工で、秋には開館準備も始まる予定だ。他区の方はもちろん岩槻の「市民」が結集してどう盛り上げるか。新たな拠点が起爆剤となることに期待したい。一方、情報がなかなか広まっていない中で、市民が主役のまちづくりを目指すには、情報を共有し「人と人」のネットワークをつくる機会を目指す必要があるため、フォーラムを初めて開催した。2019年1月26日(土)に駅前のワッツ4階に、30代から80代の75名(男女比7対3)が集まった。閉会のまとめで、「岩槻があるからこそ、さいたま市が他の政令市とは異なる輝きを持つ」と本会の理事長がまとめた150分間だった。パネルディスカッションのテーマは「これからのまちづくりと市民参加・参画」で、次の4名がパネリストとして登壇した。佐藤美和氏(NPOたねの会代表理事)、奥山吉寛氏(2020市民企画委員会委員長)、中井達雄氏(岩槻都市振興株式会社社長)、そして、中津原努氏(都市づくりNPOさいたま副理事長)。「冒険はらっぱ」を運営する佐藤氏は「観光のまちもいいが子どもとの遊びで多世代がつながり、若い世代の定住化が促進するふるさとづくりを目指すことも大事。自分自身も近所のママ友とNPOを立ち上げて地域とつながることで、引っ越してきた岩槻がますます好きになった」。区をあげて精力的に交流イベントを企画する奥山氏からは、「東日本大震災で被災者へ“人形の街岩槻”にしかできない支援を考えることをきっかけに自らNPOを立ち上げた。その経験から市民は行政との協働(双方向の協力)を取り違えずに、市民自らが行動することが前提、人任せにしないで、岩槻の人は自信をもって行動してほしい」。中井氏は「さいたま市の行政マンとしての経験から岩槻の魅力はさいたま市の中で特筆している。地下鉄7号線の延伸を考えての合併後の14年間をふりかえり、高齢福祉や医療福祉に注力をしながらも『都市型観光のまちづくり』で流入人口増を図ることを忘れてはならない。もっと声をあげていい」。基調提案者の中津原氏は「130万のさいたま市の中で岩槻は歴史・文化も自然も一番で多くの魅力と資源をもっている。岩槻には人を呼びこむ潜在力がある。だからこそ、隣接する緑区や見沼区と連携して内にこもらずに活動の質をあげて広がりをみせてほしい」と提言した。パネルディスカッションに先駆けて、中津原氏は「基調提案」2点として「さいたま市の中の岩槻の存在価値と大事にしたい資源は」、「市民まちづくりの視点から」を提示した。「まちづくりは市民が主役となり、議会、行政とともに行うもので、議員・市長は選んだ後お任せではないこと、互いの情報共有を大切にして、特に、自治会と市民活動団体と協働することの必要性を指摘した」。また、「今後の区役所機能について、手続き事務の執行にとどまらず、区独自の政策を果たしていく大区役所制も視野に入れることで、区民・市民と密接なつながりが実現する。『自治基本条例』の仕組みをさいたま市は取り入れることが大事」とまとめた。「市民企画のフォーラムは初めてだった。今後も定例化したらいい。」とは70代の男性の声だった。「まちづくりは市民の身近なところにある」「市民としての活動も継続は力なり」の意味を実感した時間となった。そういえば、先月の嬉しい情報に、5年にわたる市民活動(岩槻区並木・加倉地域の皆さん)の結果、1月29日(火)から1年間「乗合タクシー『愛称:らくらく号』」の実証運行がスタートしていると聞いた。「小さいことを重ねることがとんでもないところに行くただひとつの道だ(イチロー)」の言葉を思い出した。会場とパネラーとのやりとりやまちづくりの今後に向けての感想・意見などは、次号の3月号で取り上げることになる。【NPO法人岩槻まちづくり市民協議会・副理事長 中村守男】
この記事へのコメントはありません。
この記事へのトラックバックはありません。
Δ
らうんじ・新春取材〜後編〜
岩槻地方史研究会 「岩槻九町について⑤~田中町~」
トップページに戻る
移動済み情報記事一覧へ
Copyright © WEB ら・みやび 岩槻 All rights reserved.
この記事へのコメントはありません。