岩槻区尾ヶ崎の「光秀寺のカヤ」は、幹周り5・37mという岩槻区内最大の巨木です。さいたま市の天然記念物に指定されています。巨木というと「樹齢何年ぐらい」と、必ずと言ってよいほど質問されます。特に有名な巨木は、樹齢約○○年と表示されていますが、実際のところ樹齢を正確に推定することは、かなり難しいことなのです。切断して年輪を数えれば正確な樹齢が分かりますが、切り倒すわけにもいきません。近年は、幹に穴をあけて年輪を数える方法や放射線同位炭素による方法など、新しい方法が開発されていますが、確実な方法はないようです。屋久島の縄文杉も当初樹齢7000年と言われていましたが、最近の調査では3000年~4000年と修正されています。今回の「光秀寺のカヤ」は、光秀寺の創立が戦国時代の永禄7(1564)年となっていますので、当時に植えられたとすれば、樹齢約450年ということになります。この数字は私の経験から見ても、妥当な樹齢と思います。なお、光秀寺は明治18年に火災に会い、本堂と庫裏が焼失しています。このときカヤも本堂側と上部が焼けているということで、樹皮もかなりの損傷が見られます。幹自体も中央部分が空洞になっていて、樹勢が心配されますが、葉もたくさん残っていて樹勢はそれほど衰えているようには見えません。また、カヤは雌雄異株ですが、「光秀寺のカヤ」は実が付いているので雌株です。これからあと何十年、何百年生き続けるのか、私には見届けられませんが、次世代の人々にその雄姿を見せ続けて欲しいものです。【森林インストラクター・桂幸一】
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