今回は、尾ヶ崎の新和小学校のモチノキ(雌株)です。小学校のシンボルの木として校庭の南東の隅にあり、幹周り3・13mの巨木です。通常庭木として植えられている木ですが、幹周りが3mを越えるのは珍しいものです。私は樹齢を250〜300年と推定しました。モチノキの名前の由来は、樹皮から「とりもち」を採ることができるためと言われています。とりもちは、つきたての餅状のもので、木の枝に塗り付けておいたり、棒の先に塗ったりして、その強力な粘着力で鳥を獲りますが、現在この捕獲方法は禁止されています。新和小学校は、明治36年に当地に移転しています。当時は校庭にモチノキはありませんでしたが、昭和20年代の校舎増築の際、敷地内にあった四所神社を裏手に移転し、境内にあったモチノキが校庭に残されたとのことです。その大きさからしてこのモチノキは、御神木だったのではないかと思います。四所神社は難破除けの神社として知られ、船に関係する人達の参詣が絶えなかったそうです。「昔、岩槻と大宮の間に見沼という大きな沼があり、江戸時代の中頃、慈恩寺観音に参詣に向かう船が強風のため転覆し、乗客30人余りのうち1人だけ尾ヶ崎に打ち上げられ助かり、『これは四所神社の御利益』とたいそう喜んだ」という伝説があります。モチノキは平成26年に健康診断を受け、幹に少し空洞が見つかりましたが、まだまだ元気なようでした。これからも、小学校の守り神として子供達を見守っていくことでしょう。【森林インストラクター・桂幸一】
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