今回は、本町五丁目にある大龍寺のシイノキです。雌雄同株の常緑広葉樹で、樹高は十数mと高くはありませんが幹周り5・24mの巨木で、その枝振りは見事です。また、近くにこの木の子供と思われる幹周り3・20mのシイノキがもう1本あります。シイノキは本堂の裏庭にあるので表からは見えませんが、裏に回ると垣根越しに見ることができます。シイノキという名前は別称で、正式日本名は「スダジイ」と言いますが、岩槻ではシイノキという名前が長年使われてきました。ここでは慣れ親しんだ「シイノキ」を使うことにします。シイノキの語源は、実が落下して木の下にあることから、「下(シ)」と「実(ヒ)」から「シヒ」となり、転化して「シイ」となったという説があります。シイの実はドングリの仲間で、小粒(長さ約2cm)ですが生で食べられる唯一のドングリです。フライパンで焦げ目ができるくらい炒ると、甘みが増してさらに食べやすくなります。味は甘みの少ない栗のようで、粉にすりつぶすとクッキーの材料にもなります。他のドングリ(カシ類、コナラ、クヌギなど)は、あく抜きをしないと渋くて食べられません。大龍寺は元和6(1620)年創建と伝えられていますが、その時にはシイノキが既に存在していたとのことですので、樹齢は400〜450年ほどと思われます。また、大龍寺は昭和29年の火災により全焼していますが、シイノキは樹皮も葉も厚く防火防風樹として植えられることもあるので、焼失をまぬがれ生き残ったのではないかと思います。【森林インストラクター・桂幸一】
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