今回は時の鐘のイチョウです。本町6丁目にある時の鐘のすぐ横に、幹周り4・75mの巨木があります。このイチョウは、明治29年(1896)に開かれた岩槻城主大岡忠光の法要の時に植えられたと記録にありますので、樹齢は120〜130年になります。巨木の植えられた年が判明するのはたいへん珍しいことで、このイチョウに関しては樹齢がはっきりしています。イチョウの実(銀杏)は良く知られていますが、イチョウも子孫を残すために花を咲かせています。5月の連休の頃に、雄花も雌花も黄緑色で目立たない花を咲かせます。風に運ばれた花粉が雌花に付き、雌花の中の花粉室で発芽して精子ができます。その後、精子の成長を待って9月頃に精子が泳いで卵細胞に達し、ようやく受精して実が成長を始めるのです。普通の植物は、このような精子が作られることはなく、精子を作るのはイチョウとソテツのみです。この泳ぐ精子を世界で初めて発見(明治29年)したのが、日本人の平瀬作五郎でした。時の鐘は寛文11年(1671)に岩槻城主阿部正春によって鋳造されましたが、ヒビが入って音色が悪くなったため、享保5年(1720)に岩槻城主・永井直陳によって改鋳されました。明治維新後は、旧岩槻藩士の人々に鐘撞きが引き継がれたようです。その後、大正3年(1914)からは時の鐘の隣に住んでいる倉持家が引き継ぎ、平成13年(2001)からは自動で撞かれるようになりました。現在は、朝6時、昼12時、夕方6時の1日3回撞かれています。【森林インストラクター・桂幸一】
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