今回は本町の大龍寺にあるヤブニッケイです。環境省の巨木の定義では、原則として地上1.3メートルの幹周り3メートル以上ですが、育ちにくい樹木では1メートル以上、2メートル以上という例外があります。ヤブニッケイは成長が遅いので幹周り1メートル以上が巨木になります。クスノキ科の常緑高木で、本堂の左側に幹周り1.66メートルの巨木があります。お寺の話では、先々代の住職が植えたのではないかとのことですので、樹齢は70〜100年と推定しました。名前の由来は、ニッケイに比べ香りや味がやや劣るためや、ニッケイに似ていて藪に多くあるため、ヤブニッケイになったなどの説があります。なお、ニッケイの由来は、中国では香木を「桂(ケイ)」と呼び、樹皮が厚いことから肉桂(ニッケイ)となりました。ニッケイ属は植物全体に芳香があり、いろいろな用途に利用されています。セイロン原産のセイロンニッケイは、特に樹皮の香りが強く「シナモン」と呼ばれ、食用として利用されています。中国原産のシナニッケイの樹皮は「桂皮(けいひ)」と言い、生薬として利用され鎮静、解熱、発汗などの薬効があります。ニッケイは、樹皮には香りが少なく根の皮に強い香りと辛味があるため、根の皮がニッキ飴、ニッキ餅、八ツ橋の原料になっています。ヤブニッケイはニッケイよりも劣りますが、芳香があるため最近和製ハーブとして利用されています。刻んでハーブティにしたり、枝ごとお風呂に入れてハーブ風呂にしたりしているようです。【森林インストラクター・桂幸一】
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