今回は真福寺にある正蔵院のイチョウです。門を入って直ぐ右側に、幹周り5・13メートルの巨木があり、岩槻区内では岩槻小学校のイチョウ(幹周り5・31メートル)に次ぐ大きさです。住職のお話では樹齢数百年ではないかとのことですが、私は以前岩槻小学校のイチョウの樹齢を約140年と推定していますので、その比較から120~150年と考えています。日本最大は、青森県深浦町にある「北金ヶ沢の大イチョウ」で、幹周り22メートル、樹齢千年以上(環境省は300年以上)と言われています。正蔵院のイチョウは、住職のお話によると、何回も落雷にあい地上付近の幹に洞ができていて、以前は子供達が中に入ったりして遊んでいたそうですが、スズメバチが巣を作ると危険なので、今はふさいであるとのことです。イチョウの巨木は、時々枝から棒状の突起物が垂れ下がっているのを見ることがあります。その形状が女性の乳房に似ていることから「乳(ちち)」と呼ばれていて、乳が大きく育った巨木を「乳イチョウ」とか「垂乳根(たらちね)のイチョウ」などと呼び「母乳の出ない母親がお参りすると母乳が出るようになる」という言い伝えがあります。垂乳根は、和歌で使われる「母親」、「親」にかかる枕詞(まくらことば)で、垂れたおっぱいと思ってはいけません。この乳は雌株雄株どちらにもできますが、全部のイチョウにできるわけではありません。イチョウは古い時代の特性を残していて、乳は場合に応じて先端が根になったり、枝になったりする何とも不思議な部位なのです。【森林インストラクター・桂幸一】
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