先月号の弊紙で紹介した「岩槻城復元3D映像による講演会」に参加してきた。
講演前、会場となった岩槻駅前にあるワッツルームAには、すでにかなりの人が集まっていた。スタッフの方が追加のイスを出すほどで、ざっと90人以上の参加者があるように見えた。
講師として登壇した芝浦工業大学教授の渡辺洋子氏によれば、3D映像の対象としたのは岩槻城の本丸御殿で、制作したのは過去の卒業生だったという。
岩槻城の本丸御殿については、間取りの資料や江戸時代の建築手引書を参考に計算、データをもとに3D化したそうだ。
ただ、残念なことに欄間やふすま絵などの資料は出ていないため、装飾は全て白色で表現するしかなかったのだという。
紹介された3D映像では、本丸御殿の外観や内部の構造などが視点を自由自在に動かしながら閲覧することができた。
講演中、興味を引きつけられたのは「将軍の日光社参のため、最初の宿泊施設として、将軍のために作られた……岩槻藩主は三の丸を居館としていた」という点だった。当時は将軍のために、岩槻藩には不相応な立派な施設であったという。
このような施設が近他の藩に例のないものであれば、江戸時代の希少な施設として、岩槻の歴史を伝えるものとして「復元」ことを考えないわけにもいかないだろう。
講演では、岩槻城の二の丸、三の丸の資料も旧家に埋もれていたものが発見されたということも知ることができた。
これらの貴重な資料も3D映像化できれば城を象徴する施設が揃うことになる。実現に向けて、主催した「岩槻城築城研究会」の今後の活動にも期待したい。
【編集部・小澤】
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。