「昔の道具体験」

~石臼・薬研を使ってみよう~

 さいたま市の博物館では、毎年一二月から翌年二月にかけて、小学校三年生で学習する「市の様子の移り変わり」に関連させて、展示や体験学習を実施しています。
これは、子どもたちの学習の充実を高めることと郷土の歴史への興味や関心を高めることを目的としています。
さらに当時の生活道具などを見学することや使用することによってさいたま市における発展の様子や暮らしの移り変わりについて理解を深めていくものです。

 岩槻郷土資料館では、毎年この時期に、「薬研」「石臼」の体験を行っています。
「薬研」は一般には薬をつくるときに使われたものです。
細長い舟形をしており、中に深い窪みがあり、そこに薬の原料となるものを入れ、円形の薬研車などと呼ばれるもので、すりつぶし、粉や液体にしました。
金属製のものが多いようですが、木製や石製、陶製のものもあったようです。
もともとは中国でお茶を引くための道具であったものが日本に伝わったといわれています。

 「石臼」はその名のとおり石製の臼で、一般的には円盤状の二つの臼の間に穀物など入れ、すりつぶし、粉にする道具です。
下の臼は固定され、上の臼を回転させることによって、すりつぶしていくものです。
こうした穀物などをすりつぶす道具は古くから世界中で使われていたようで、日本には奈良時代ごろに伝わり、江戸時代に一般的になったといわれています。
中世には上流階級の間で、喫茶の風習が広まり、お茶をひくための茶臼もみられるようになりました。

 今年度は一二月六日(土)から令和八年二月二三日(月・祝日)まで、開館から閉館までの九時から一六時三〇分の間、体験を行うことができます。
一階の階段下に「薬研」と「石臼」を二台ずつ置きます。
「薬研」はミカンの皮を、「石臼」は大豆を使っています。
ご希望される方は、岩槻郷土資料館の受付のお声がけください。
皆さんの体験への参加をお待ちしています。

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