岩槻郷土資料館では、昨年度(平成三〇年度)収蔵品展として資料館に収蔵されている岩槻城の絵図を展示しました。この展示では、いくつかの岩槻城の絵図、武家屋敷周辺の絵図、明治四~五年頃の士族屋敷の屋敷割の草稿、大手門の西側にあった茅小屋の絵図など九点を皆さんに見ていただくことができました。今回、資料館に所蔵されている岩槻城の絵図のなかで昨年度の展示できなかったものなどを展示します。そのうちの一点は「御社参之節岩槻城御宿泊取立并部屋割絵図」と言われる二の丸の絵図で、縦一〇〇センチメートル、横一〇〇センチメートルの大きな絵図です。これは将軍の日光社参の折、岩槻城二の丸が将軍の宿泊の御殿となった際のもので、その部屋割などが詳細に描かれています。中央付近には将軍の御座所がみられ、将軍の通行する通路などは、朱線で表示されています。この絵図が作成された時代は、あきらかではありませんが、天保一四年(一八四三)、第一二代将軍徳川家慶が日光社参を行った際のものとも考えられます。それは、岩槻城二の丸が将軍の宿泊の御殿となったのは、享保一三年(一七二八)に六五年ぶりに行われた第八代将軍徳川吉宗の日光社参からであり、この絵図が作られたのは、それ以降の江戸時代後期であると考えられます。今回の展示は、2019年9月14日(土)から9月23日(月)までのおよそ二週間という短い期間の開催ですが、岩槻郷土資料館に足を運んでいただき、日光社参の際、将軍の宿泊場所となった岩槻城のようすなどについて見ていただけたらと思います。
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