岩槻郷土資料館だより㉞ 「冷蔵庫」

今では、どこの家庭にもみられる家庭用の電気冷蔵庫は昭和五年(一九三〇)に芝浦製作所が初めて発売したものといわれています。
しかし、値段がとても高価で、一年分の給料に相当するほどであったとされ、一般にはあまり普及しませんでした。
昭和三〇年代からの経済高度成長期になると、「テレビ」、「洗濯機」とともに「三種の神器」と呼ばれ、大きく普及するようになっていきました。
それまでは「冷蔵庫」といえば、今回紹介するような氷を使って冷やす木製のものが使われていました。
この冷蔵庫は、上段に氷を入れ、下段に冷やすものを入れるようになっています。
冷気は上から下に対流するため、上段にある氷からの冷気によって下段に入れたものが冷やされる仕組みになっています。
木製の外枠と亜鉛板でできた内側との間にはおがくずが詰められ、外気を遮断するようになっており、冷蔵の効果を高める工夫がされています。
冷やすための氷は町にあった氷屋から買い求めました。
特に夏場には自転車の後ろにむしろなどに包んだ氷をのせ、運んでいる姿がよく町では見受けることができました。
郷土資料館に展示してある冷蔵庫は、大型のもので、魚や肉などを扱う商店で営業用として使っていたものです。
昭和四〇年代になると、現在のような冷凍の機能を持った冷凍冷蔵庫が作られ、さらに現在ではさまざまな機能を持った大型の冷蔵庫がみられます。
こうした冷蔵庫の機能の進歩や普及とともに木製の冷蔵庫は姿を消していきました。

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