岩槻郷土資料館では「絵馬の現在」と題し、岩槻郷土資料館に収蔵されている「絵馬」を五月五日(水)までの期間、展示します。「絵馬」は願いを込めて社寺に奉納される額です。古くは、雨乞いには「黒馬」、日乞いには「白馬」を献上する風習があり、この生きた馬に代わり、絵に描いた馬が奉納されるようになったものといわれています。その後、様々な信仰や祈願をこめて社寺に奉納されるようになり、現在でも縁結びや学業成就などの願いを込めて社寺に奉納されています。 古くから社寺に奉納された伝統的な「絵馬」のうち、幅三〇㎝以上のものを「大絵馬」、幅約三〇㎝未満の絵馬を「小絵馬」と呼ぶことがあります。「大絵馬」は個人や村、講などの集団によって、願いの成就、記念などを目的に社寺の建物の内部に奉納されることが多く、絵師などに依頼し、制作されたものです。馬、神仏、社寺の境内、参詣、風景、祭礼、神話、物語、生業など様々なものが画題として取り上げられています。一方、「小絵馬」は社寺の近くの提灯屋や人形屋の副業で、大量に製作されたもので個人が神仏に対する様々な祈願を主な目的として、社寺の建物の周囲などに奉納されるのが一般的です。個人の奉納となるため、祈願の内容を他人に知られないよう図柄に隠したものが多く見られます。 今回展示するのは近年の「絵馬」で、小絵馬の系譜をひくものですが、伝統的な絵馬とは違って、製作は印刷などによるものが大部分になり、社寺が直接販売するようになっています。干支を表したもの、社寺の風景を表したもの、神仏を表したものなど図柄も多岐にわたっていますが、画一化されてきているようです。こうした絵馬は本来の家内安全、学業成就、疫病退散、縁結びなどといった祈願を行うだけでなく、観光地でのおみやげ的なものもみられます。
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