岩槻郷土資料館の建物は、昭和五年(一九三〇)に建てられた旧岩槻警察署の建物です。当時流行したアールデコ様式が取り入れられた建物で、竣工式当日、昭和五年八月二八日の朝日新聞には「県下一のモダン警察」という見出しが付けられています。また当時この警察署の前を通る人達が必ず振り返り、建物を見ていったともいわれています。今回紹介する「岩槻警察署平面図」は竣工当時のものと思われます。縦五二・四㎝、横三七・八㎝の手書きの図面を印刷したものです。入り口部分である北を下にして描かれており、縮尺は二百分の一となっています。現在、資料館として使っている本庁舎部分の南側には「署長官舎」が建てられており、本庁舎東側の通路が官舎の入口に通じていたようです。また自転車置場、物置が武道場の西側にありました。右上に「岩槻警察署改築工事概要」が記されています。それから概要を見ていくと本庁舎は「鉄筋混凝土建二階建」「建坪二八三・三七三〇平方米」となっています。「コンクリート」は漢字で「混凝土」となっています。また「総工費 三一九〇〇円」「工期二四五日」「設計監督埼玉県」とあり、埼玉県の設計監督のもとおよそ八から九か月の工期で完成したことがわかります。総工費は当時の物価などから考えると現在の金額では一億五千万円程になると思われます。この岩槻警察署の建物が建てられた昭和の初めは、大正一二年の関東大震災の復興を目指していた時期と重なり、地震や火災などにより強くという防災に対する意識が高かった時期と考えられます。そして当時普及してきたコンクリートを使われ、この庁舎が建設されたと思われます。来館した際には資料館内に展示してある資料だけでなく、この建物の細部までご覧いただきたいと思います。
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