明治三五年(一九〇二)六月一八日、萬国郵便聯合加盟二五周年を記念して逓信省から官製の絵葉書を発行され、今年で一二〇年を迎えます。明治三三年(一九〇〇)、郵便法の制定によって私製の葉書が発行されることが許可されたことから絵葉書は発行されるようになり、さらに印刷技術の進歩によって、広く普及していきました。明治時代に入り、交通網の整備や名所旧跡などの観光地化が進み、旅が大衆化され、一般の人々も各地に旅をするようになってきました。現在のようにカメラなどの映像機器が一般的ではなかった当時では、旅の思い出や記念として絵葉書を買い、家族や友人などに送ったり、おみやげとしたりしたようです。また、旅などの記念の絵葉書を収集することも行われたようです。当時の絵葉書はこうしたおみやげ的なものだけでなく、一種の記録的の要素ももっていたようで、関東大震災や台風や川の氾濫などの災害による被害状況などや大きな事件を扱った絵葉書も発行されました。日清・日露戦争や太平洋戦争の時には戦争に関連する絵葉書が発行され、軍事郵便などにも使われたようです。今回、さいたま市立博物館、浦和博物館、浦和くらしの博物館民家園、岩槻郷土資料館に収蔵されている明治から昭和初期の絵葉書を九月一七日(土)から一〇月一六日(日)まで展示します。展示する資料は、はじめに挙げた日本最初の官製絵葉書である「萬国郵便聯合加盟二五周年」絵葉書をはじめ、岩槻、浦和、大宮、与野といったさいたま市を中心に埼玉県内や関東地方、大都市などの絵葉書となります。当時の各地の情景をこうした絵葉書を通じてご覧いただきたいと思います。
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