岩槻郷土資料館では、九月二六日(木)~一〇月二〇日(日)まで、「新収蔵品展」を開催しています。
ここ数年、資料館に寄贈された資料は百点余りあります。
今回、こうした資料の中から整理の終わった資料を公開しているものです。
今回展示している資料には「旧相野原所在板碑」「色紙」「老談岩槻聞記」などがありますが、これらの展示資料のうち「色紙」について、そのいくつかを紹介していきましょう。
今回寄贈された「色紙」は一八点あります。この中には、前回にも紹介しましたが、西澤笛畝、結城素明、佐々木京林、山川永雅、中村餘容などといった著名な画家によるものもあります。
西澤笛畝は、日本画家であると同時に収集家としても知られ、生前約五〇年をかけて江戸時代を中心とした人形収集しました。
その数は七〇〇〇点に及ぶといわれ、かつては埼玉県越生町にあった「笛畝人形記念美術館」で展示公開されていました。
現在では岩槻人形博物館にそのコレクションの一部が収蔵されています。
色紙の一点は、前回、内裏雛を描いたものと紹介しましたが、胸に梅の花を描いていているようであり、「天神像」を描いたものと思われます。
もう一点はアザミの花を描いたものです。
結城素明は、明治から昭和にかけて帝展や文展等などいわゆる官展で活躍した日本画家で、日本芸術院会員。
はじめ川端玉章に師事し、後に東京芸術大学教授を務め、第一線球で活躍している人物を多く指導したことでも知られています。
「東京美術家墓所誌」などの著書もあり、「集古会」に参加し、趣味人との交流も深かったようです。
色紙は小型のうちわ型のもので、白い花が描かれています。
中村餘容は、南画家であり、一三歳の頃から神樂江巻石についてその基礎を学びました。
晩年、岩槻に住み、国内各所に襖絵や詩画の奉献を行っています。
色紙は植物が描かれたものです。
こうした皆さんから寄贈された貴重な資料を郷土資料館におこしいただき、この機会に是非ご覧いただけたらと思います。
価格:5400円 |
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