さいたま市では、多くの埋蔵文化財の発掘調査が行われています。
これによって、新しい発見が得られ、さいたま市における原始・古代の様子が徐々に明らかになってきています。
こうした最近の成果を、これまでの成果とともに考え、さいたま市の原始古代の姿を解明していくものとして、令和五年三月に「さいたま市史 通史編 原始・古代Ⅰ」発行されました。
岩槻郷土資料館では、令和5年11月21日(火)から令和6年1月21日(火)まで、この「さいたま市史」に掲載されている縄文時代の資料をもとに「縄文時代のさいたま」の展示を行います。
今回は、主な展示資料をいくつか紹介します。
円孔文土器(見沼区中川稲荷山遺跡)、縄文時代の始まりである草創期の土器で、口縁部に沿って丸い小さな孔をあけた口縁部の小破片です。大陸との関連性が指摘され、全国的にみて、発見例は少なく、貴重なものです。
円正寺縄文人復顔模型(南区円正寺)、区画整理事業による調節池工事の際に、偶然みつかった縄文人の頭骨です。
およそ5800年前の女性で分析の結果、DNAの塩基配列が現在の東南アジア人二人と一致し、縄文人のルーツに一石を投じたものです。
今回展示する予定の復顔模型は実際の人骨をもとに製作したものです。
南鴻沼遺跡出土資料(中央区大戸)、南鴻沼遺跡はさいたま市役所西側の沖積低地にある遺跡です。
低地にあるため、台地上の遺跡では残らない、丸木舟、漆器、石斧の柄など有機質の遺物がみつかっています。
これらは、当時の自然環境や縄文人たちの暮らしの様子を伝える貴重な史料です。
今回は、漆器や植物性の遺物などを展示する予定です。
切断壺形土器(岩槻区黒谷田端前遺跡)、土器を製作し、焼く前に胴の部分などで切断した壺形土器です。
東北地方との関連が考えられますが、土器の文様は関東地方のものです。
会期中、市史の執筆者による講座も行いますので、展示をご覧いただくと共に、ご参加いただきたいと思います。
詳細は市報等をご覧ください。(写真はいずれも「さいたま市史」から)
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