北海道の北見地方で発見されたことから、名付けられたという「キタミソウ(北見草)」。花は約3ミリと小さく、足元によく目を凝らせないと見つけられないほどの植物だ。現在は絶滅危惧種でシベリアなど極北の地を故郷にする花であるが、国内で分布が確認されているのは熊本県江津湖や埼玉県東部のごく一部で、とても貴重な植物であることから「幻の花」といわれている。このような内容の看板を、末田須賀堰の公園で見かけた。9月に入って堰が開けられて水が引いたことから、現在は川底を見ることができる。足を運んでみると、湿った土が表れて乾燥しており、多くの釣り人が自由に入って行って魚釣りを楽しんでいた。キタミソウについて釣り人に聞いたところ、「自生地はあっちだよ」と教えてくれた。川底だった箇所であっても、乾燥しないで常に湿っている箇所でなければ、キタミソウの自生地には適さないそうだ。私が足を運んだ場所は、周囲の田畑や住宅地からの雨水や排水が流れ込むような水路の周辺で、思っていたよりも狭い範囲の湿地帯だった。末田須賀堰周辺環境保全協議会が設置した看板には、生育地保全に取り組んでいると書かれていて、市民にも保護や保全に協力を呼び掛けていた。保護対象の貴重な植物とあるが、周辺の環境は果たして守られているのだろうか。その点も気になる体験だった。
【編集部・奥山】
この記事へのコメントはありません。
この記事へのトラックバックはありません。
Δ
昭和の子どもたち~その4~ 折り紙と図形のセンス
岩槻の自治会長を巡る① 笹久保新田自治会会長・森田さん
トップページに戻る
移動済み情報記事一覧へ
Copyright © WEB ら・みやび 岩槻 All rights reserved.
この記事へのコメントはありません。