岩槻区と見沼、緑区の間を流れる綾瀬川は5、60年ほど前を知る人には、魚釣りや川遊びなどで身近な川である。「ご飯粒をつけた釣り糸に魚がちょんちょん突っつくのを見てから、竿を上げたりできるほどきれいでしたね」土地のお年寄りは懐かしんだ。以前私の住んでいた西原台からは歩いて行ける距離に綾瀬の流れがあった。緑の稲田の広がる向こうで釣り人が糸を垂れていた。水質の汚染が言われ始めてはいたが、泳ぐ人もいたし、私の竿にも鮒がかかった。今回そこを目指して行ってみたが、あの時の道は途切れていて、どうしてもたどり着けなかった。東北道が開通する前だったので、今は、マンションが立ち並ぶ辺りなのかもしれない。昭和の初めごろまでは川の蛇行が多かった。また川を利用しての東京方面への舟運も行われた。浦和東高校付近に住み、肥料を扱っていたという人の話では「ここから深川まで竿を使って下るのに1日半、上ってくるのには4日ほどかかった」とのことだった。その後、物資の運搬は川に沿った道を馬車が走り、車の時代と変わっていった。時の流れとともに変化していった川の流れではあるが、笹久保新田付近では、大きく蛇行している自然堤防がみられる。春先には川面がキラキラと輝き、土手一面に菜の花が咲いていた。今夏、この辺りを歩いてみた。流れは水不足のせいか細々としていたが、昔の流れを連想させた。この下流では護岸工事が進み、対岸には埼玉スタジアムがそびえていた。(第4回)
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