昭和特撮の傑作 『ウルトラマン80』

先月のインタビューに『ウルトラマン80』の話が出てきたので、今回は作品について解説したい。
『ウルトラマン80』とは、1980年代を代表した昭和最後のウルトラシリーズ作品だ。
ヒーローのウルトラマン80がみずから地球人に変身した姿・矢的猛が主人公。
矢的猛は怪獣を生み出す人間の邪悪な心を正すため、中学校教師として子どもたちの教育に取り組みながら、現れる巨大怪獣と戦うのである。
「地球人の憎しみ、悲しみなどの邪悪な心(マイナスエネルギー)が怪獣を生み出す」という設定を導入し、当時起こっていた児童の殺人や自殺などの世相に言及する道徳的な部分も兼ね備えた内容でもあった。
しかし、学園ものの設定が活かされたのは全50話のうち最初の12話まで、その後は幾度かの路線変更をすることとなり、ついにはこの『ウルトラマン80』終了後、長編ウルトラシリーズはウルトラマンティガまでの15年間にわたり制作されることはなかった。
TBSとの仲たがいなど、色々な要因はあったようだが、視聴率もよいとは言えず、当時はそれほど評価されていなかった作品でもある。
だが、近年では『ウルトラマン80』が特撮作品の傑作と言われ再評価されている。
怪獣が街を破壊し、ウルトラマン80によって倒される。
いわゆる「特撮パート」と呼ばれる部分が今の撮影技術では実現不可能であることが要因だ。
特に、爆破のシーンなどは現在の法律で火薬の使用量が制限されているため、この時代に使用されていたような特効は今では行えない。
さらに当時、専門的に特効を扱っていた「職人」の技術は法律などの影響からあまり伝承されていないのである。
特撮技術を伝統技法として未来に残そうという動きが各地で活発になっているので、そういったことにも注目してみてほしい。
【うえぽん】

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