「昭和百年忘れ物」の投稿をして頂いて、十一月号で完結した加藤三郎さんに、2008年6月から埼玉新聞に投稿掲載された物を纏めた冊子「悠々一滴」102回分の中から、今でも通用する話題を選んでの掲載許可を頂きましたのでお楽しみください。
お正月になると「七福神めぐり」が話題になります。
この行事は古くは室町時代の民間信仰でしたが、江戸中期に当時の文化人といわれる人々の間で流行った遊びが、庶民の行事として定着したようです。特に江戸の風習を継承した東京では、戦争による中断を除き、現在に至るまでその人気は続いています。
中国の陰陽五行説によって「奇数」は陽、「偶数」は陰とされ、その中の「七」という数字は特にお目出度い数と考えられていました。
「毘沙門天」は多聞天とも呼ばれ、仏教の守り神で文武両道の神様です。
「福禄寿」は幸福、高禄、長寿の三徳を人に与えると言われています。
「恵比寿天」は服の神の代表としてところによって、「海の神」「田の神」「山の神」、町では「市の神」として福利を授ける神として信仰されていました。
「大黒天」は、或る時期から大国主命と混同し、糧食財宝を授かる神として、崇められましたが本来は仏教での戦闘神です。
「布袋尊」は中国に実在した禅僧で未来仏である弥勒菩薩の化身とも言われ、諸国を巡り福運を授けたといわれています。
「寿老人」は長寿の神と言われ、一説には福禄寿と同体異名とも言われています。
七福神の中の唯一の女神の「弁財天」は、豊穣、芸術の才能、延寿、を授ける神として芸人や証人たちの信仰を集めています。
最近まちづくりの活動の中でこの「七福神めぐり」を改めて見直し、賑わい創出の手段とするところが増えてきました。
ところが六福神であったり、同じ神様が二体おられ八福神となったりして色々な話題を提供してくれます。
高齢化社会において、お祈りをして長寿、歩いて健康、そして気の合った仲間とその土地のおいしいものを頂き更に見聞を広める事ができる「室福神めぐり」はお正月に限ったものでなく、その神社仏閣にある花めぐりとあわせて、観光資源として新しい意味と付加価値を持っていると思います。
【加藤 三郎】
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価格:3480円 |
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