東京・小岩からの慈恩寺みち⑥「道しるべ」

◎ 慈恩寺道地蔵菩薩立像       
当初 あちこち探していると、地元の人から、ほかにも近くに慈恩寺みちの道標があることを教えていただきました。
小岩市川渡しの慈恩寺道標から一・五キロメートル先に、地蔵小屋が建っていて、その小屋の中に、地蔵菩薩を浮彫りにした、慈恩寺道地蔵菩薩立像が置かれていました。
江戸川区内で最も古い道標と言われています。 

右  是より右 岩付慈恩寺道 岩付迄七里
前右 奉供養 西国,坂東、秩父 百個所 諸願成就所

前 地藏菩薩立像(レリーフ)
前左 正徳三癸巳天 七月廿四日 愛宕山法林寺
左  これより左千住道 新宿迄壱里 千住迄弐里半

前面右は お供(おそなえ)をして花をたむけて、お祈りをすれば 百観音霊場での様々な願い事が叶えられるとあります
ちなみにその結願寺は、秩父三十四番目の札所 水潜寺です。
また長野県佐久市、鳴滝の岩尾城跡にある室町時代大永五年(一五二五年)銘の石碑には、「秩父三十四番 西國三十三番 坂東三十三番」と彫られていて、古くから霊場への巡礼がなされていたようです。
全寺回ると 全長三千キロメートル以上の歩行距離があります。
とんでもない長さの巡礼の道となっています。
この道筋が鎌倉時代から続く坂東道の巡礼の道だったことは一つの発見です。
江戸時代には小岩からの庚申の道として慈恩寺道が整備されています。
前面左は 正徳三年 (一七一三年)は四柱推命で癸巳(みずのとみ)にあたる年です
此処に記載されている愛宕山法林寺は北小岩三丁目に現存する宝林寺と思われます。
台座には中小岩 伊与田村などの村名と村民の名前が列記されています。
左面 は この場所は、千住と岩槻方面の分かれ道になっていることが分かります。参勤交代で江戸に向かう佐倉藩主は此処で左折して千住道(佐倉道)を、葛飾区新宿(にいじゅく)に向かい、千住本陣から江戸城へ入城していました。
この小屋内には、他にお地蔵様と馬頭観音も置かれていました。

地蔵小屋

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